こんにちは、美容クリニックで働いているヨッピーです。
病院を退職して美容クリニックに転職しようとした時、やらなければならない行政の手続きシリーズ第3回目。
今回は退職後の【健康保険】に関する手続きについて説明したいと思います。
- 【その1】税金(所得税・住民税・退職金に掛かる税金)
- 【その2】年金(国民年金・厚生年金・第2号から1号や3号への手続き)
- 【その3】健康保険(国民健康保険・任意継続被保険者制度・扶養に入る)←今はココ
- 【その4】雇用保険(失業手当・再就職手当)
Contents
無保険状態にならないように健康保険もしっかり手続き!
年金ほどではないにしろ、毎月の給料から天引きされている健康保険料もかなり高いですよね(T T)
給与明細を見るたびに、「私は健康で病気にもかかっていないのに何で毎月負担しないといけないんだー!」なんてよく心の中で叫んでます笑
そんな個人的な愚痴はさておき、皆さんよくご存知のように日本は国民全員が何かしらの保険に入る「国民皆保険制度」というシステムになっているので、病院を退職して美容クリニックに転職する時にも手続きが必要です。
もしも手続きをせずにほったらかしにしていると、これまで3割の自己負担で済んでいたところが、全額10割負担になってしまいます・・・^^;
人によって状況が異なるのでケース別に説明していきますね。自分が当てはまるところだけ読んでもらえればOKですよ!
【1】離職期間がない(すぐに美容クリニックで働き始める人)
離職期間がなく、すぐに美容外科や美容皮膚科クリニックで働く看護師さんの場合は、特に自分で手続きをする必要はありません。
新しい職場(美容クリニック)の健康保険に加入することになるので、クリニック側で全ての手続きをやってくれます。一番何も考えずに済むラクなパターンですね^^
【2】離職期間が少しだけある(2週間未満で短期のブランクが空く人)
看護師さんの中には、離職期間が1週間だけあるとか10日間だけあるという看護師さんもいるかもしれません。6月末で退職して7月11日から新しい職場で働き出すといったようなケースです。
この場合は【3】離職期間がある(転職活動をする人や仕事をいったんお休みする人)の場合と同様に、
- 国民健康保険に加入する
- 前の職場の保険に継続加入(任意継続被保険者制度を利用)する
から選ぶことができます。
オススメなのは国民健康保険への加入です(手続きに関しては後の【3-A】国民健康保険に加入の項を参考にしてください)
普通に手続きをすると7月1日から10日までは国民健康保険、11日からは新しい職場の健康保険に切り替わるため、7月は国民健康保険と新しい職場の健康保険料の、ダブルで負担が発生しそうなものですが、実際にはそんなことはありません。
1日~10日までの国民健康保険料の支払いは発生しないんです。
なぜなら「月末段階で被保険者でなければ保険料の支払いはナシ」というルールがあるからなんです(知ってました!?^^)つまり、7月分の国民健康保険料の負担はナシということになります。
ただし、「国民健康保険の負担はナシ」といっても、これは2重払いにはならないという意味ですので、7月の保険料がまるまるタダというわけではありません。
国民健康保険の負担は無くても、新しい職場での健康保険の支払いは発生します!「日割り」といった概念がないので、新しい職場での健康保険で7月の1ヶ月分の負担が発生しちゃうんですね。
もう一方の、前の職場の保険に継続加入(任意継続被保険者制度を利用)するについては、国民健康保険と違って数日でも加入していればまるまる保険料が発生します。
つまり、この場合は、前の職場の7月分健康保険料&新しい職場での7月分健康保険料とダブルで負担しないといけなくなるので、オススメしません!
ただし、3日とか10日間のためだけにいちいち保険加入の手続きをするというは面倒という人も多いですよね^^; その間、特に病院に掛からなければ問題ないじゃん!と考える人もいると思います(まさに私がコレ笑)
ぶっちゃけ元気に笑って過ごすことができれば特に大きな問題は発生しません。
また2週間以内であれば最悪、病気にかかったとしても一旦は窓口で全額負担になるかもしれませんが、国民健康保険の手続きをして後から申請すれば7割分が戻ってきます。
最悪なパターンは大きな病気や事故で入院となり、国民健康保険の手続きをしないまま2週間を超えてしまった場合です。この場合は全額負担になってしまいます。
結論としては、多少の手間は掛かるものの、金銭的な追加負担は発生しないので、離職後に2週間以上の空白期間ができる場合は国民健康保険の手続きをするようにしてください!!
【3】離職期間がある(転職活動をする人や仕事をいったんお休みする人)
転職活動をしたり仕事をいったんお休みしたりする場合ですが、取るべき方法としては大きく3つあります。
【3-A】国民健康保険に加入
一番ベーシックなパターンです。多くの看護師さんは大体コレかなと思います。
国民健康保険に加入するための手続き
手続きする場所 | 住んでいる市役所(国民健康保険窓口) |
---|---|
手続きする期限 | 退職後14日以内 |
必要な持ち物 | 印鑑/離職票や退職証明書、健康保険被保険者資格喪失証明書などから1つ(健康保険の資格喪失日が確認できる書類) |
退職してから14日以内に印鑑と離職票など健康保険の資格がなくなった日が確認できる書類を持って、自分が住んでいる地域の役所に行ってください。
あとは窓口で国民健康保険への加入手続きをしてもらえます。
全国一律の国民年金と違って、国民健康保険料は各市町村によって料率(税率)や計算方法にかなり違いがあります。
具体的な金額を知りたい場合は、窓口の担当者や各自治体のサイトで確認するようにしましょう。
【3-B】前の職場の保険に継続加入
「任意継続被保険者制度」という制度を利用して、以前の職場で加入していた健康保険に継続して加入することができます。
任意継続被保険者制度を利用するための手続き
手続きする場所 | 各健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ) |
---|---|
手続きする期限 | 退職後20日以内 |
必要な持ち物 | 保険証/印鑑/任意継続被保険者資格取得申出書 |
任意継続は、退職しても在職中に加入していた健康保険に最長2年間に限って引き続き加入することができる制度です。
注意することは、在職中の保険料は病院側と折半しますが、退職後は全額自己負担(ざっくり2倍程度)になってしまうこと。
ただし、任意継続した場合と国民健康保険に加入した場合、どちらの保険料が安くなるかは人によってバラバラです。
計算式もかなり複雑なので、お願いして試算してもらうのが一番ですね。
ヨッピー
任意継続できる条件は、
- 退職前日までに継続して2ヶ月以上保険に加入していること
- 退職日から20日以内に申請すること
となっています。
退職して20日というのはけっこうアッという間です。20日を過ぎると原則として受け付けてもらえないので注意してくださいね。
手続きに関してですが、病院から在職中に支給されている保険証に、運営機関の連絡先が書いてあると思います。加入の手続きや試算などの問い合わせはその連絡先にしてみましょう。
任意継続した場合は以下の状況になると自動的に脱退となります。
- 加入後2年間が過ぎる
- 保険料の納付が遅れる
- 転職先が決まってそちらの健康保険に加入する
恐らく多くの看護師さんは「転職先が決まってそちらの健康保険に加入する」ということになると思うので、特に任意継続を選んだからといって転職後の手続きは不要ですね。
【3-C】扶養に入る
旦那さんや親御さんの扶養に入るというパターンもあります。
この場合は健康保険料の支払いが無くなり、保険の適応を受けられるので、ここまで説明してきた中で一番「オトク」です。この表現が正しいのかは分かりませんが・・・^^;
扶養に入るためには、あなたの年収が130万円未満というのが大前提です。さらに同一世帯&旦那さんの収入の2分の1未満であることとされています(全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合)
この「130万円」という年収基準は去年の年収でも今年の年収でもありません。「今後の年収見込みが130万円を超えるかどうか」で考えます。
これはその2【年金】看護師が病院を辞めて転職する時の手続きと注意点で書いた第3号被保険者になれるの?の時と同じ話ですね。
なので、年金の記事でも書きましたが、失業手当をもらいながら健康保険の扶養に入るというのは、かなり厳しいと思ってください。
扶養の認定基準については、旦那さんが加入している健康保険によって違います。
旦那さんの会社が中小企業であれば恐らく全国健康保険協会が運営している「協会けんぽ」に加入しているでしょうし、大企業や大企業のグループ会社であれば独自の健康保険組合を作ってそこの健康保険に加入していることもあります。
いずれにせよ扶養の判定や加入手続きは職場の総務部や給与担当者が行ってくれます。一度、旦那さん経由で聞いてもらうようにお願いすれば良いと思います。
経済的な理由や病気で保険料の納付が難しいときは、収入によっては減免の制度を利用できる場合があるので、納付期限の7日以上前に役所に相談しましょう。
また、病院の都合で解雇や退職を余儀なくされた看護師さんの場合は、所得を100分の30に減らして保険料を計算する制度があります。こういった制度の利用も検討しましょう。
手続きについてはハローワークで雇用保険受給資格者証を受け取り、市役所・区役所の健康保険窓口で手続きができます。
健康保険に関するまとめ
ここまで退職・転職時の健康保険に関して解説してきました。けっこう難しくて取っつきづらい部分も多かったと思います・・・
離職期間がある場合、実際には国民健康保険に加入することになる看護師さんが多いと思いますが、任意継続の手続きをする場合は、退職してから時間的に余裕がありません。
事前に国民健康保険と任意継続のどちらが安いのか試算しておき、加入する健康保険を決めておくことをオススメします^^
また、転職後には新しい職場から、無職だった期間に健康保険に加入し保険料を納付したことを証明する書類の提出を求められることがあります。
その時に慌てないように領収書などは保管しておくようにしましょう!
- 【その1】税金(所得税・住民税・退職金に掛かる税金)
- 【その2】年金(国民年金・厚生年金・第2号から1号や3号への手続き)
- 【その3】健康保険(国民健康保険・任意継続被保険者制度・扶養に入る)←今はココ
- 【その4】雇用保険(失業手当・再就職手当)